Claude Code Router とは?モデルルーティング完全ガイド【2026年版】
Claude Code のモデルルーティング機能を徹底解説。opusplan・fallbackModel・Advisor ツールの設定方法から企業向け availableModels まで、コスト削減と品質向上を両立する設定パターンを実例付きで紹介します。
Claude Code の「Router」とは、リクエストの内容や状況に応じて最適な AI モデルへ処理を振り分ける仕組みの総称です。単一モデルを使い続けるのではなく、「計画フェーズは Opus、実装は Sonnet」「通常は Sonnet、サービス停止時は Haiku に切り替え」のように、コストと品質をバランスよく制御できます。
2026年6月時点の Claude Code 公式ドキュメント(code.claude.com) をもとに、Router の全機能を設定例付きで解説します。
Claude Code Router が必要な理由
Claude Code は複数のモデル(Fable 5 / Opus / Sonnet / Haiku)をサポートしており、それぞれコスト・速度・推論精度が異なります。すべての処理を最上位モデルで行うと料金がかさみ、すべてを最軽量モデルに任せると品質が落ちます。
Router を使うと、次のようなタスク別の最適配分が自動で実現できます。
| シナリオ | 使うモデル | 効果 |
|---|---|---|
| アーキテクチャ設計・複雑なデバッグ | Opus / Fable | 深い推論で高品質な判断 |
| 日常的なコード実装・テスト生成 | Sonnet | コスト効率と速度を両立 |
| 簡単なフォーマット・コメント追加 | Haiku | 最低コストで処理 |
| プライマリ障害時のフォールバック | Sonnet → Haiku | 可用性の確保 |
Claude Code の全機能概要は Claude Code 完全ガイド も参照してください。
モデルエイリアスと設定方法
主要なモデルエイリアス一覧
Claude Code は /model コマンドまたは settings.json で以下のエイリアスを指定できます(出典: Claude Code Model Configuration)。
| エイリアス | 動作 |
|---|---|
default | アカウント種別に応じた推奨モデル。Max/Team/Enterprise は Opus 4.8、Pro は Sonnet 4.6 |
best | Fable 5 が利用可能ならそちら、それ以外は最新 Opus |
fable | Claude Fable 5。長時間の自律タスクに最適 |
opus | 最新 Opus モデル。複雑な推論タスク向け |
sonnet | 最新 Sonnet モデル。日常的なコーディング向け |
haiku | 最速・最軽量モデル。単純タスク向け |
opusplan | プランモード中は Opus、実行フェーズは Sonnet に自動切り替え |
opus[1m] | Opus + 100万トークンコンテキスト(大規模コードベース向け) |
sonnet[1m] | Sonnet + 100万トークンコンテキスト(使用クレジット消費) |
モデルを変更する3通りの方法
# 1. セッション中にコマンドで切り替え
/model sonnet
/model opus
# 2. 起動時にフラグで指定(そのセッション限り)
claude --model opus
# 3. 環境変数で設定(起動スクリプトに記述して永続化)
export ANTHROPIC_MODEL=sonnet
settings.json に書けばセッションをまたいで有効になります。
{
"model": "sonnet"
}
opusplan:計画と実行を自動で使い分ける
opusplan とは
opusplan は Claude Code 専用のモデルエイリアスで、Plan Mode(計画モード)中は Opus、実行フェーズに入ると自動で Sonnet に切り替わるハイブリッド設定です(出典: Claude Code Model Configuration — opusplan)。
# opusplan を設定する
/model opusplan
# または起動時に指定
claude --model opusplan
opusplan が有効な場面
opusplan は次のユースケースで特に効果を発揮します。
- 大規模リファクタリング: Opus が全体設計を計画 → Sonnet が個々のファイルを実装
- バグ修正: Opus が根本原因を推定 → Sonnet が修正コードを実装
- API 設計: Opus がインターフェース設計を決定 → Sonnet が実装コードを生成
注意: opusplan の計画フェーズ(Opus)は通常の 200K トークンコンテキストウィンドウで動作します。Opus の 1M コンテキストは
opus[1m]エイリアスを直接使用した場合のみ有効です。
Plan Mode の詳細な使い方は Claude Code Plan Mode とは? で解説しています。
フォールバックモデルチェーン
fallbackModel の仕組み
プライマリモデルが過負荷・障害でリクエストを処理できない場合、自動でバックアップモデルへ切り替えるのがフォールバックチェーンです(出典: Claude Code Model Configuration — Fallback model chains)。
{
"fallbackModel": ["claude-sonnet-4-6", "claude-haiku-4-5"]
}
この設定では、プライマリが利用不可のとき Sonnet 4.6 → Haiku 4.5 の順で試みます。
フォールバックチェーンの設計ルール
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 最大数 | 重複削除後、最大3モデルまで |
| 切り替え期間 | そのターン(1回の応答)のみ。次のメッセージは再びプライマリを試みる |
| トリガー条件 | 過負荷・サービス障害・その他の非再試行サーバーエラー |
| 対象外 | 認証エラー・課金エラー・レート制限・リクエストサイズエラーは切り替えない |
セッション限りのフォールバック設定は --fallback-model フラグで指定できます。
claude --fallback-model sonnet,haiku
Advisor ツール:意思決定を強力なモデルへ委譲
Advisor ツールとは
Advisor ツールは、メインモデルで処理しながら「アーキテクチャ判断」「繰り返し起きるエラーの解決」「タスク完了確認」などの重要な判断ポイントだけをより強力なモデルに相談させる仕組みです(出典: Escalate hard decisions with the advisor tool)。
要件: Claude Code v2.1.98 以降 / Anthropic API 限定(Bedrock・Vertex AI・Foundry では非対応)
Advisor の設定と推奨ペアリング
# セッション中に設定(デフォルトとして保存)
/advisor opus
# 起動時に指定
claude --advisor opus
# settings.json に永続設定
{
"advisorModel": "opus"
}
代表的なモデルペアリングは以下のとおりです。
| メインモデル | Advisor | 適したシーン |
|---|---|---|
| Sonnet | Opus | 日常業務は Sonnet、設計判断は Opus に相談。コスト効率の高い標準パターン |
| Sonnet | Fable | Fable 5 の判断力をキーポイントのみに活用(v2.1.170+ 必要) |
| Haiku | Opus | 最低コストを維持しつつ計画精度を確保 |
| Opus | Opus | 同じ Opus による独立したダブルチェック。高リスクタスク向け |
Advisor は毎ターンではなく判断が必要な場面でのみ呼ばれるため、メインモデルをそのまま高性能モデルに変えるより低コストで品質を上げられます。
Advisor のオン・オフ
# Advisor を停止
/advisor off
CLAUDE_CODE_DISABLE_ADVISOR_TOOL=1 を設定すると、/advisor コマンド自体を無効化できます。
エンタープライズ向けモデル制御
availableModels:選択可能モデルの制限
企業での利用では、コスト管理やガバナンスのためにユーザーが選択できるモデルを制限したい場合があります。
{
"availableModels": ["sonnet", "haiku"]
}
この設定では、/model ピッカーに Sonnet と Haiku のみ表示されます。Opus は選択不可になりますが、default オプションは常に利用可能です。
modelOverrides:プロバイダー固有 ID のマッピング
Amazon Bedrock や Google Vertex AI を通じて Claude Code を使う場合、Anthropic モデル ID をプロバイダー固有の ID にマッピングします。
{
"modelOverrides": {
"claude-opus-4-8": "arn:aws:bedrock:us-east-1:123456789012:inference-profile/opus-prod",
"claude-sonnet-4-6": "arn:aws:bedrock:us-east-1:123456789012:inference-profile/sonnet-prod"
}
}
これにより、ユーザーは通常どおり /model opus と指定するだけで、実際のリクエストは Bedrock の推論プロファイルへ自動ルーティングされます。
Fable 5 の自動フォールバック
Fable 5 には安全性分類器が組み込まれており、サイバーセキュリティや生物学関連のコンテンツが検出された場合、自動で Opus にフォールバックします。これも Router の一形態です。
# フォールバック時に確認を求める設定(/config で変更)
# デフォルトは自動切り替え
フォールバックのトリガーを確認したい場合は claude --safe-mode で起動すると、CLAUDE.md や Skills を無効化した状態でテストできます。
Router 設定の優先順位
複数の方法でモデルを設定した場合、以下の優先順位で適用されます。
- セッション中の
/modelコマンド(保存オプションあり) - 起動時の
--modelフラグ(そのセッション限り) - 環境変数
ANTHROPIC_MODEL(そのセッション限り) settings.jsonのmodelフィールド(永続)
マネージド設定(企業管理者が設定)はユーザー設定より上位に位置し、セッションをまたいで適用されます。
よくある設定パターン
パターン1: コスト最適化(個人開発者向け)
日常コーディングはコスパの良い Sonnet、複雑な設計はその場で Opus に切り替えます。
{
"model": "sonnet",
"fallbackModel": ["claude-haiku-4-5"]
}
# 設計が必要な局面だけ手動で切り替え
/model opus
# 実装フェーズに戻る
/model sonnet
パターン2: 品質重視(業務利用向け)
opusplan で計画と実行を自動切り替えし、Advisor で重要判断を保証します。
{
"model": "opusplan",
"advisorModel": "opus",
"fallbackModel": ["claude-sonnet-4-6"]
}
パターン3: 企業管理(チーム・エンタープライズ向け)
コスト上限を守りながら全員に同じ品質を提供します。
{
"availableModels": ["sonnet", "haiku"],
"model": "sonnet",
"env": {
"ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL": "claude-sonnet-4-6"
}
}
まとめ
Claude Code Router の主要機能を整理します。
- opusplan: Plan Mode は Opus、実行は Sonnet に自動切り替え。計画品質とコストを両立する最も手軽な Router 設定
- fallbackModel: プライマリ障害時の自動切り替えで可用性を確保。最大3モデルのチェーン設定が可能
- Advisor ツール: メインモデルを変えずに判断ポイントだけ高性能モデルへ委譲。Anthropic API 限定で v2.1.98+ 必要
- modelOverrides / availableModels: Bedrock/Vertex AI 対応と企業ガバナンスを実現
Claude Code の設定全般については Claude Code 完全ガイド を、料金とプラン選びは Claude Code 料金完全比較 を参照してください。
参考情報(2026年6月時点): 本記事の設定値・モデル名は執筆時点の公式ドキュメントをもとにしています。最新情報は code.claude.com/docs でご確認ください。
